2019.12.05
コラム
この度コラムに記事を掲載させていただく事となりましたペルソナクリニックの棚澤です。よろしくお願いいたします。私は脳神経外科を約33年してきましたので脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷だけが専門では?と思われますが、慢性難治性疼痛や重症痙縮という一般の方が聞きなれない病状も専門としています。
平成29年9月11日桑名市内に開院してから疼痛に関しましては、できる限り広くあらゆる分野の痛みの相談をさせていただいております。
今回は1回目ですので脳神経外科を受診される理由として最も多い頭痛についてお話します。頭痛で受診される原因は主に2つあります。1つ目は市販の薬が効かない。2つ目は頭のことだから心配との理由です。
市販の痛み止めは風邪の時の頭痛には効きますが、慢性の頭痛には効かないことが多々あるのは何故でしょう? ロキソニン、イブ、セデスといった薬は非ステロイド性消炎鎮痛剤で頭痛だけではなく打撲や切り傷、虫歯の痛みなど炎症反応を抑える薬剤です。
慢性の頭痛はどこからくるのでしょうか?多くは頸部、肩甲部にあります。持続するこれらの筋緊張が頭痛を慢性化させる原因になります。特に仕事で同じ姿勢を強いられる方、目を酷使している方に多く見られます(近年特にPCやスマートフォンの普及により)。持続する筋緊張でリラックスできない状態となり、目の調節不全や睡眠障害の原因にもなります。従って頭痛を軽減させるためにはこれらの筋緊張を緩和させる必要があります。筋弛緩効果がある薬の服薬、後頚部や肩甲上部のこりが強い場合には注射をする事も有効な場合があります。なによりも筋緊張を慢性化させない生活習慣(仕事中に定期的な休息時間を作り姿勢の転換やストレッチを行う等)が大事です。
2つ目に関してですが重大な脳病変は客観的な神経症状(意識障害、運動、感覚障害、失語症など)を初発症状とする場合が多く、頭痛のみというのは稀ですのでが不安が続くのはよくない事ですし脳腫瘍、慢性硬膜下血腫の一部では頭痛が初発症状の場合もありますので心配な場合は受診してください。